8/28、音楽と思想のbar CoolFool様のステージ
芽部様presents「MUSIC NEEDS YOU, POETRY LOVES YOU」にて朗読した詩を載せています。
アシエの感想付き
芽部様presents「MUSIC NEEDS YOU, POETRY LOVES YOU」にて朗読した詩を載せています。
アシエの感想付き
(冒頭詩)
心に薪を焚べ
その灯りでものを作り
心に薪を焚べ
その灯りでまたものを作り
心に薪を焚べ
ただものを作り
その灯りでものを作り
心に薪を焚べ
その灯りでまたものを作り
心に薪を焚べ
ただものを作り
いつしか火は万象を超え
後には黒い静寂のみが広がっている
その充実以外に
何も入り込む余地はない
後には黒い静寂のみが広がっている
その充実以外に
何も入り込む余地はない
それが私のすべてである
ステージ冒頭に読んだもの。
屋号に「工房」という肩書を入れたことへの思い、絵も、詩も、音楽も、自分がこれから作ることになる”良いもの”は、ここを源として作られるということ。
それを忘れずに懐に入れておくためにしたためたもの。
屋号に「工房」という肩書を入れたことへの思い、絵も、詩も、音楽も、自分がこれから作ることになる”良いもの”は、ここを源として作られるということ。
それを忘れずに懐に入れておくためにしたためたもの。
語られるもの
メモは死の淵にあった
言葉もその内だ
言葉もその内だ
語るべきドグマもなければ
征服すべき地図の破片もない
征服すべき地図の破片もない
耳を塞がずとも
良好な視界に捉えていた星よ
今は私の流した
膿の海に浸っている
良好な視界に捉えていた星よ
今は私の流した
膿の海に浸っている
この世にあるものは
砂混じりの風と
はためくマントだけ
この身に触れるのは
瞬きではない
からりとした
無味で無垢な砂粒だけ
瞬きではない
からりとした
無味で無垢な砂粒だけ
メモは死の淵にあった
言葉もその内だ
言葉もその内だ
語るべき未来は消え
過去を留めた地図ももうない
過去を留めた地図ももうない
雨も 宇宙線も 何もかもを受け取った砂粒よ
妨げるものは何もない
妨げるものは何もない
この世にあるのは
おまえと
はためくマントだけ
おまえと
はためくマントだけ
「メモは死の淵にあった」。Twitterに投稿した短い冒頭の部分から出来上がった詩。
この詩の原題は「再生」だった。
世界と相対し、自分は何を語るのか。しかし世界とは自分の生き写しなのだ。それに対して、何を語るか。
他者を変えるための語りは、自分を変えるための語りに遠く及ばない。
今まで星のように見えていた偽りの雄弁さに気づき、そこから自身を解放し、安らかな自らの原風景へと還ることを祝福しようと思った詩である。
この詩の原題は「再生」だった。
世界と相対し、自分は何を語るのか。しかし世界とは自分の生き写しなのだ。それに対して、何を語るか。
他者を変えるための語りは、自分を変えるための語りに遠く及ばない。
今まで星のように見えていた偽りの雄弁さに気づき、そこから自身を解放し、安らかな自らの原風景へと還ることを祝福しようと思った詩である。
訪問者
山よ 親愛なる
靴を履くこともできぬ者が
おまえを知りに遊びにゆくよ
あらゆるものが
おまえを教えようとしたが
おまえを知りに遊びにゆくよ
あらゆるものが
おまえを教えようとしたが
遂に千切れた血に堪えかねて
おまえのもとに遊びにゆくよ
あの子はもはや時空に疲労を任せず
焼き繋がれた手をも引き摺って
やって来る
冷えた足の傷に見向きもせず
おまえのもとに遊びにゆくよ
あの子はもはや時空に疲労を任せず
焼き繋がれた手をも引き摺って
やって来る
冷えた足の傷に見向きもせず
山よ今応える
脳裏に焼きつく経験として
顕れよ今はただ
その質量を示して
山よ今夥しく
道を継ぎ 霧を重ね
祝福せよ おまえのもと
生きた地層を見出すものを
道を継ぎ 霧を重ね
祝福せよ おまえのもと
生きた地層を見出すものを
断絶は消えゆき
瞬く星が永久となる
様よ
顕れよ
今は身体で
はかり
感受し
顕れよ
今は身体で
はかり
感受し
過去に書いた詩で、長らく寝かせながらあっちを変えたり、こっちを変えたりを繰り返していた。
当時と今の自分の書きたいことが違っていたために難儀している。
詩は新鮮なうちに書こう!
当時と今の自分の書きたいことが違っていたために難儀している。
詩は新鮮なうちに書こう!
自動記述詩文23
翡翠は歩く葦だ。
だからこそ私は気の持ちようを明日の身も知れぬ放浪者に明け渡しているのだ。
嵐は猛々しく、無粋な想念を編み出し、事象のかどに放り続けるだけのように見える。だが、それは実際には虚を散らしているだけであり、未曾有の安寧はむしろその中心にある。それを恐れるな。
私の子は裂けた口に歯列を並べて空を揺蕩っている。出会いは訪れ、それはまた見ている。籠の中に放り入れた、そうあなたが放り入れた幾末の思いを背負う、またその体裁をノートに書き写している監督官、すべて灰塵に帰している。とめどなく溢れる波の白い水底、そこには葦がある。
だからこそ私は気の持ちようを明日の身も知れぬ放浪者に明け渡しているのだ。
嵐は猛々しく、無粋な想念を編み出し、事象のかどに放り続けるだけのように見える。だが、それは実際には虚を散らしているだけであり、未曾有の安寧はむしろその中心にある。それを恐れるな。
私の子は裂けた口に歯列を並べて空を揺蕩っている。出会いは訪れ、それはまた見ている。籠の中に放り入れた、そうあなたが放り入れた幾末の思いを背負う、またその体裁をノートに書き写している監督官、すべて灰塵に帰している。とめどなく溢れる波の白い水底、そこには葦がある。
類を見ない正しさ、ここに眠る。何度も繰り返している日々の改宗の中で。
2022/03/01、3/7に書きとられた。
シュルレアリスム展に向けて書いていた、自動記述詩の一つ。短さから今回の朗読に採用した。
シュルレアリスム展に向けて書いていた、自動記述詩の一つ。短さから今回の朗読に採用した。
沈黙
前回のステージを参照。
飛行 (軋轢さんのセッションに乗せて)
大空を飛ぶ
慟哭を飛ぶ
おまえが 飛ぶ
翼となって
慟哭を飛ぶ
おまえが 飛ぶ
翼となって
私は飛行
であるか
気と真空を混ざり 巨体の志を呼び
轟音と共に飛ぶはわたしだ
姿見えずとも
その陽光と冷雹の間にいるはわたしだ
絶えず空をぶつ切り 乗り歌い
高速であてどなく くつろぐがわたしだ
であるか
気と真空を混ざり 巨体の志を呼び
轟音と共に飛ぶはわたしだ
姿見えずとも
その陽光と冷雹の間にいるはわたしだ
絶えず空をぶつ切り 乗り歌い
高速であてどなく くつろぐがわたしだ
身があるならば投げよ
腕があるならば広げよ
心があるならば開け
腕があるならば広げよ
心があるならば開け
さあ聞けよ 巨体の志を
この巨空はわたしである
きゅいーん
きゅいーん
アシエ航空にご搭乗いただき、まことにありがとうございます。到着予定時刻は未定です……
きゅいーん
アシエ航空にご搭乗いただき、まことにありがとうございます。到着予定時刻は未定です……
飛行機に乗っているときに浮かんだアイデアを書いた過去の作。軋轢さんの即興演奏に乗せて読ませていただきました。
十人十色の詩、朗読に聞き入り、ますます視界を広げさせていただいたライブでした。
今後も詩のまちにてお見かけしましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
今後も詩のまちにてお見かけしましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
2022.8.29 Acier